もの探しタグ
こんにちは。イーアールアイの三浦です。
一般的なビジネスマンは年間150時間も探し物に時間を費やしているそうです。かく言う私も、よく探しものをしている人種です。「あの時作ったあの基板どこやったっけ?」と、倉庫のダンボールを片っ端から開けて探すことを、月に1回はやっています・・・。
IoTを使って探し物をカンタンに
IoT関連の開発に携わってから、今まで殆ど関わりがなかった他の業界の方々と話す機会がグンと増えました。製造業や流通業、小売業、公務員・・いろいろな業界の中で皆さんが共通して困っているのが、この「探し物」です。
ある金型成形の会社さんでは、金型を箱に入れて倉庫に保管しているそうですが、倉庫の棚には同じような金型が入った箱が何百個もあり、その中から必要な箱を探し出すのに毎日とても時間がかかっているそうです。
ある病院では、沢山の機材を保管している部屋があり、定期的に機材の種類毎に数を数えて管理する必要があるそうですが、似たような機材が沢山ある中で、熟練の機材に詳しい人しか管理できなくて困っているそうです。
試作機
BLUETUSのBLU250を改造して、もの探しタグを作ってみました。
BLU250の基板に大きめのLEDと、圧電ブザーを追加。ケースを透明ケースにして、LEDの点灯が視覚的に分かるようにしました。
ここで利用しているBLU250の基板は、位置測位技術であるスマートタグで利用しているカスタム基板です。
オリジナルのBLU250の基板とは異なります。
Android用のアプリもデモ用に試作開発しました。もの探しタグの動作をイメージできる動画を用意しました。
動画内では もの探しタグを「BLUETAG」と呼んでいます。(仮称です)
もの探しタグにはそれぞれシリアル番号がつけられています。ここにある もの探しタグはNo.10とナンバリングされています。
アプリを開くとまず、周囲にある もの探しタグを探します。もの探しタグは定期的にアドバタイズというビーコン信号を送信しています。アプリはこのアドバタイズを受信することで、近くにある もの探しタグを認識しリスト表示します。デモの中ではタグの番号をリスト表示していますが、例えばタグを取り付けた箱の中身をデータベースから取得して、リスト表示するように アプリを作る事もできます。
次に、周囲にある もの探しタグのリストから、接続したいタグの番号を選びます。スマートフォンと もの探しタグがBluetooth接続されます。接続確立するまで少し時間がかかっていますが、これは省電力を考慮してアドバタイズの発信周期を抑えているからです。
Bluetooth接続が完了するとステータスが「connected」になります。「FLASHING!」ボタンを押すと、アプリから もの探しタグに、点滅・鳴動コマンドが送信され、もの探しタグのLEDが点滅しブザーが鳴動します。
今回は試作機なのでLEDやブザーはコイン電池の3V電源から直接駆動しました。実際作ってみるとブザーの音が若干小さいのが気になりました。工場などの騒々しい場所で使う場合には音が聞こえないかもしれません。もっとLEDの輝度を上げたり、ブザーの音を大きくする為には、昇圧回路の利用を検討します。電池もコイン電池CR2032では心もとないので、パワフルな電池に変える必要がありそうです。
別の形の試作機
営業チームからの依頼でもうちょっと薄型で、LEDが光る範囲が広い、もの探しタグの試作も作ってみました。
こちらは100均の名刺入れをケースとして利用したお遊び試作機です。