3Dスキャナー活用事例
こんにちは。イーアールアイの井上です。
今日は弊社で使っている3Dスキャナーについて紹介したいと思います。
最近ではスマホでも3Dスキャンができるような機種やアプリが登場し、個人で活用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
さて、業務用3Dスキャナーでは、スキャンしたい立体物の大きさや特徴よって最適な機器、スキャン方法が異なります。例えば、接触式で行うか非接触式で行うか、据え置き型かハンディー型か、など性能も価格もさまざまです。
弊社では、開発するプロダクトのほとんどがオフィスデスクに載る大きさということもあり、キーエンス製のデスクトップ型非接触式3Dスキャナーを使って、試作した部品の寸法測定や解析に活用しています。
【活用例1】
それでは、実際の活用例を紹介します。
今回は弊社で開発した熱転写プリンターの樹脂フレームを測定してみたいと思います。サイズはA4より少し大きい350mm×200mm×30mmです。
まずはオモテ面を360°スキャンして、次にウラ面を360°スキャンして、専用ソフトでこれら二つのデータを結合して一つの立体データにします。
測定ステージに収まらない部品であっても、ワークをずらしながら数回スキャンすれば1つの立体データにできます。
スキャンしてできた立体データがこちらです。
それでは断面形状を確認してみたいと思います。
任意の位置で断面にできますので、わざわざ部品を切断しなくても断面形状が確認できます。
水色ラインの断面を測定します。
つぎに、面全体の反り(平面度)を色分け表示で確認したいと思います。反りの小さいところが黄色、手前側の反りが青色、奥側が赤色で示されています。
断面では分からなかった部品の反りが見やすくなりました。
また、CADで作成した元データがあれば、スキャンした立体データと重ねることもできます。
どこの部分がどの程度違っているかを視覚的に比較ができますので、部品を生産する際の改善にも役立てています。
【活用例2】
こちらは再転写型カードプリンターのプラテンローラー(ゴムローラー)をスキャンした立体データです。 ゴムのような軟質材はノギスやマイクロメーターでは変形してしまいうまく測定ができませんが、スキャンした立体データを使ってゴム外径や幾何公差(円筒度)の測定、円筒面全体の凹凸具合の確認に活用しています。
【おわりに】
3Dスキャナーを使うことで複雑な形状や軟質材の部品でも、寸法測定や形状把握が簡単にできるようになりました。
もちろん3Dスキャナーにも苦手なものはあり、陰になる深い形状や透明、鏡面などはうまくスキャンができないため、部品の特徴に応じて使い分ける必要があります。
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イーアールアイでは各種サーマルプリンター(熱転写プリンター、再転写型カードプリンター)の受託開発のほか、メカトロ・組込みソフトの開発支援サービスを提供しております。
現行機を改善設計したい、外部製品を内製化したい、プロダクト開発のリソースが不足しているなど、お困りのことがあれば弊社まで問い合わせください。