ERi初!オンラインにてインターンシップを開催
こんにちは。イーアールアイの澤村です。
2019年にイーアールアイに入社し、早いもので今年で2年が経とうとしています。
今回、私澤村と同期2名の3人でインターンシップの指導員を務めましたので、どのようにしてインターンシップに臨んだのか、こちらの記事にまとめていきたいと思います。
新型コロナウイルスの影響
コロナウイルスの影響により、経済、働き方など様々な物事に影響が出ていますね。
その中の一つに就活があります。特に、この時期に実施されることが多いインターンシップですが、やはり見直しを行っている会社が多いようです。
イーアールアイも状況を鑑みて、今年のインターンシップはオンラインで行うこととなりました。 オンラインでの実施は初めてだそうです。
インターンシップの期間は5日間。実習生は、はこだて未来大学の3年生2名。
大学の教室を1部屋借り、受講してもらいます。
初めてのオンラインインターンシップ・初めての指導員という、初めて尽くしの取り組みとなりました。
準備
課題内容決め
5日間で達成できそうな内容を加味し、課題内容やスケジュールを決めていきました。
その結果、STM32マイコンでAD変換を使用する温度センサの制御を行うこととなりました。
温度センサはLM61CIZを使用します。
以下のような処理の実装を行い、温度を取得してもらいます。
1.温度センサから値を取得する
2.取得した値を温度に変換する
3.単発ノイズ除去
4.フィルタリング
温度センサに限らず、センサから取得した値のノイズ対策は必須です。
そのため、単発ノイズ除去とフィルタリングの処理を実装することで、ノイズ対策について学んでもらうことにしました。
温度はPCのシリアルコンソール上に表示します。
なお、温度センサ制御に注力してもらいたかったので、シリアルコンソールへの表示に関してはあらかじめ指導員の方で実装しておきました。
スケジュール
課題内容から、さらにスケジュールを以下のように決定しました。
1日目 オリエンテーション
2日目 課題の説明、フローチャートの作成、フローチャートのレビュー
3日目 プログラムのコード実装
4日目 コードレビュー、発表資料作り
5日目 発表資料レビュー、報告会
フローチャートの作成を行ってもらったり、各工程でのレビューを実施することで、実際の開発の流れを体験できるようにしました。
また、レビューを重点的に行うようなスケジュールとしました。
大学での講義はソースコードの実装をすることはあるのですが、レビューを行うことはほとんどないため、インターンシップならではの体験になると考えたためです。
インターンシップ開始
打ち合わせにはzoomを使用し、議事録や連絡事項の共有はSlack で行いました。 始業時、昼休み後、定時前の計3回毎日進捗確認を行いました。
フローチャート作成
プロセスを可視化、理解してもらうために、フローチャートを作成してもらいました。
温度センサから温度を取り出すまでにどういった処理が必要か、ノイズ対策の処理はどういうアルゴリズムで行うかを整理してもらいました。
コーディング
フローチャートを基にコーディングを行ってもらいました。
開発言語は、組み込みで一般的に利用されているC言語を使用し、開発環境には
CubeIDEを使用しました。
CubeIDEで自動生成される関数群であるHALライブラリを使用しながらの実装となりました。
二人とも基本的な知識は身に着けているようで、お互いに助け合いながらコーディングを進めてくれました。
フローチャートから関数に必要となる変数を考えたり、フローチャートの流れに沿ったソースコードが実装出来ていてとても良かったです。
また、コーディングレビューでは、命名規則や変数の型の取り扱いについてアドバイスを行いました。
温度センサの値を入れておく変数の型を決める際に、温度センサの仕様書で取得できる温度の範囲を確認する、という作業は良い経験になったようです。
報告会
最後はまとめの資料を作成し、発表してもらいました。
このとき、実際にプログラムを動かしてもらい、画面共有でセンサの様子を表示してもらいました。
コーディングレビューを基にコードの修正をしながらの資料作りとなりましたが、見やすさを意識した資料ができていました。
発表も上手で頼もしい限りでした。
オンラインインターンシップを終えて
苦労した点
対面と比べて、説明することが難しかったです。
私は身振り手振りを使って説明することが多いのですが、画面越しだと言葉だけで理解できるように説明を行わなければならず、苦労しました。
zoomの画面共有をフル活用していくことが効果的だと感じました。
同様に、相手に伝わっているか・理解できているかも把握することが難しかったです。
二人ともうなずいたり、積極的に質問してくれたのでとても助かりました。
また、今回はマイコンとセンサを配線する作業があったのですが、指導員が目視で確認できないことが不安でした。写真を送ってもらって対応したのですが、同じ空間にいれば数十秒で確認できることが、オンラインだと数分かかってしまうことがもどかしかったです。
反省点
時間が足りなくなることを見越して課題内容を決めたのですが、それでも足りずハードスケジュールとなってしまいました。
そのため、「分からないことがあればまずSlackで相談する」という流れになってしまい、「まず自分で調べてみて、分からなかったら相談する」という流れを体験することができなかったのが心残りとなりました。
指導員と実習生とのやり取りはアプリを介して行うため、一つ一つの確認作業に時間がかかります。そういった時間の配慮も必要になると感じました。
まとめ
ほぼスケジュール通り進み、実装を無事終えることができ、いい結果で終わることができました。実習生のお二人もお疲れ様でした。
もう少し時間があればよりよいものが作れた、と悔しそうでしたが、決められた期間内に成果を出すということも学べたのではないでしょうか。
また、Slackで議事録の共有や連絡をパパっと行えたことや、実習生から「質問や相談を気軽に尋ねることができた」との声もあり、Slackのパワフルさを実感しました。
雑談する時間がなかったことと、会社の様子を全く伝えることができなかったことが心残りではありますが、限られた環境で多くのことを学び、感じ取ってくれたお二人でした。
二人とも意欲的に課題に取り組んでくれ、アドバイスの内容の飲み込みも早かったです。その積極的な姿勢を今後もぜひ継続していただければと思います。
また、学んだことを残りの学生生活で実践してみて下さいね。
駆け足になってしまいましたが、5日間ありがとうございました。
インターンシップを通して実習生たちがどんな気づきや学びを得たのか、実習生の声をまとめた記事がこちらからご覧いただけます。